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インタープレイを“き”かせてくれ

ジャズ好きな、そこそこ年のいったライターのブログです。周囲の誰よりも早く、コレステロールの薬飲み始めました。

うまい酒について

尿酸値が高い。

 

アラサーとはいえ、こんな数値はよろしくない。

医者坊の話によれば、コレステロール値もよろしくないそうだ。

もっと言うなら、体重もよろしくない。

 

良いところはと聞いてみたが、ロダンの有名作品と同じポーズをとり、石化してしまった。メデューサでもいるのかと周囲を見渡したが、野村幸代みたいな看護師しかいないので、どうやら思い悩んでいるらしい。

 

避けた方がよい食べ物はですねぇ…と口上を述べ、突然僕の好物を読み上げ始める医者。思わず、もしやコイツはストーカーか、と思うほど重なる、食べないほうがいい食材と僕の好物。

 

生来の性格が災いして、ダメと言われるとますます食べたくなる。

ああ! イクラ丼食べたい!

 

そんな僕は、最近深夜12時を過ぎると、コソコソと酒を飲む。

コソコソと言うのは、やはり医者からの忠告を思い出すからだろう。「尿酸値が…」「コレステロールはね…」「心筋梗塞のリスクは…」「ああ、ダメダメ。生クリームなんて。それよりもこんにゃくが…」そんな言葉が浮かんでは消えていく。このままでは、生クリームの代わりにこんにゃくを使用したケーキでも食べさせられかねないと、酒を作る。密造酒で一杯やるレジスタンスの気分だ。

 

背の高い厚めのグラスに氷を入れる。金宮のパック焼酎とウーロン茶を注げば、ウーロンハイの完成だ。

 

このウーロンハイを抜き足差し足でリビングまで運ぶのがミソだ。まさにコソコソ。この背徳感はいい味出しやがる。

 

この罪なる味のする飲み物は、まことにおいしく、飲まなきゃ寝らんねえ。

一生を1人の女性と添い遂げるか、酒を好きに飲めるか、どちらかの権利しかもらえないなら、たとえ神の靴をなめたって酒をとる。いや、むしろなめさせていただく。

 

こいつのツマミには特に気をつかう。なにしろ、既に健康上へのリーチがかかっている状態なので、焼いた肉とか、こってりした揚げ物なんかを入れようものなら、即ロンされて、点棒どころか魂までむしりとられる可能性がある。

 

そのため、最近はコンビニのサラダチキンなどを食べていたが、100円ローソンの干しホタルイカをライターであぶって食べるのにはまっている。

 

魚醤の風味とホタルイカのクセのある旨味をウーロンハイで中和する。

たまらん。

 

 しかし、どうしても誘惑してくるヤツがいる。そう「唐揚げ」だ。

国内でもっともポピュラーな揚げ物と言ってもいいほど、さまざまな場所で見かけるヤツは、ものすごく強い誘惑を放ってくる。

 

例えるならムチムチボインのおねーちゃんが、腰をふりつつ、こちらに手招きをしている。純情ボーイである僕は、下半身とカンカンガクガクの議論の後、そちらを見ないようにして帰宅。

 

ホッと胸をなでおろしたのもつかの間。ふと気づくと袋を手に持っている。のぞき込むとおねーちゃんがハーイなんてあいさつを…。

 

映画メメントを思い出す恐怖体験だ。

 

買ってきたものに罪はないので、ウーロンハイでこいつをやると、何とも言えない幸せが。やはり揚げ物は正義と、ばくばくとむさぼるように食べ終わった。

 

過日、酒の席に招かれ、ウーロンハイとからあげを食べた。なぜかこの前のようなおいしさを感じなかった。

 

辻で売っているからあげと、鳥専門店である今回の居酒屋の間に、差がないとは思えない。そこまでブロイラー業者の企業努力が進んだかと思い自宅で食べたが、今度はおいしい。

 

どうやら、味の問題ではなく、状況の問題のようだ。

コソコソ、背徳感を感じながら一杯やるのがいいらしい。

子供の時分から、親に隠れて食うブタメンはうまかったが、あの理論だ。

 

うまい酒ってのは、罪の味だなー。

そんなことを考えながらウーロンハイを飲んでいると、ふとカップ焼きそばが目に入った。

例えるなら、久しぶりに会った幼なじみが、大胆な水着を着てプールの待ち合わせに現れたようなものだ。

 

今度はコソコソとお湯を沸かす。

 

あくまでも、コソコソと。