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インタープレイを“き”かせてくれ

ジャズ好きな、そこそこ年のいったライターのブログです。周囲の誰よりも早く、コレステロールの薬飲み始めました。

つるまる饂飩について

新宿駅南口から甲州街道を渡って少し。住所的には代々木にあたる地に、「つるまる饂飩」といううどん屋がある。

 

いわゆるチェーンのうどん屋で、かけうどん一杯200数十円で食べられることに魅力を感じる。

 

といっても、特筆するほど「うまいぜ!!」というほどではないので、月に2~3回行けばいいほうである。

 

ご多分にもれず、給料日前などの利用がほとんどだ。

 

また、そばとうどんを同じ釜でゆがくという、麺類業界に一石を投じるがごとくのアグレッシブな調理スタイルで、正直そばはまずい。

 

そんなつるまる饂飩のロゴマークに注目したい。

 

「つ」と「るまる」に分け、前者を大きくしたロゴ。濃い青の中に白抜きになった文字。そして、「つ」の部分は、「るまる」に比べすこし乱雑に書いたようなフォントになっている。

 

これは、おそらく「つ」をうどんに見立てているのだ。たしかに、ゆであげたうどんの表面は少し雑なはがれのような状態になっている。

 

シンプルながら、実に練られたロゴだ。

 

すべて想像なので、真偽は確かではないが、ロゴを作ったデザイナーはなかなかの実力者である。

 

そんなロゴ、どんぶりの中心部分に描かれているのはご存じだろうか。

 

つるまる饂飩のうどんは関西風の透明度の高い出汁なので、自然このロゴが目に入る。

 

ここに落とし穴がある。

 

パッと見、うどんが1本残っているように見えるのだ。

 

麺を手繰り尽くし、出汁をすする。もちろん、レンゲなどはないのでどんぶりを両手に持ちごくごくいく。

 

その際、噛みきったうどんの切れ端が何本かある。こいつを箸で口に運びながら出汁を飲む。

 

出汁は熱いので、すするといった方が正しいが、この残ったうどんと出汁をすする瞬間が一番おいしいといっても過言ではない。

 

ズズズッと音を立てながら、口の中に数本のうどんの切れ端がヒュッ、ヒュッと消えていく。

 

実に爽快だ。

 

さきほども同じように出汁をすすっていると、まだうどんの切れ端が1本、どんぶりの底の方ある。

どんぶりを左手に持ち、出汁をすすりながらなので視界が悪い。

 

なんど箸で手繰ろうとしてもつかまらない。

 

 

ロゴマークだった……。

まさに、「つ」の部分であった。

 

 

恥ずかしさの極みである。

 

来月には30ともなろう身空で、実在しないうどん目がけ、ひたすら箸を伸ばすおとこ。

 

いつもなら全部すする出汁を少し残し、悲しみを覚えながら席を立った。

 

また給料日前には、ありもしないうどんをすすろう。